白内障と散瞳検査
眼の中にある水晶体が濁ってしまう「白内障」。加齢とともに発生する病気です。
白内障になると、見え方にはどんな変化があるのでしょう?またどんな症状が現れてくるのでしょう?初期の白内障の場合、自覚症状はほとんどありません。
というのも、光が水晶体を通過する面というのは瞳孔の大きさによって変わるため、光が通過しない面が濁っていても、見え方に変化が出ないのです。
自覚症状がなく白内障が発見される場合は、瞳孔を開く「散瞳検査」と呼ばれるものを行った場合です。
散瞳検査によって瞳孔を開いた状態で水晶体を観察すると、水晶体の濁りの有無がわかります。老人に多く発生する白内障ですが、早い人では40代くらいでも白内障を発症している場合があります。
白内障の見え方
水晶体の中で光が通過する部分が濁ってくるようになると、ものが薄暗く見えたり、反対に眩しく見えるようになります。この症状は特に夜に眩しい光を見た時に感じやすいといわれています。
夜間など暗い場所では、私たちの目は自然と瞳孔が開いた状態になっています。
瞳孔が開いた状態だと水晶体が濁っている部分に多くの光が飛び込むことになりますから、その分眩しさが強く感じられてしまうのです。そのため、夜間に車を運転する人などは要注意です。
明るい街灯や信号を見て、極端な眩しさを感じてしまうことがあります。また、目が感じる光の量だけでなく、単純に物の見え方がぼやけるという人もいます。
物がぼやけて見える症状は老眼の症状と同じなので「老眼だろう」と思い込んでいる人も多いのですが、メガネを変えたりコンタクトレンズの度数を変えても改善されない場合は、白内障が発症している可能性も考えられます。
急に視力が落ちた場合なども、白内障である可能性があります。自覚症状が出にくい、もしくはわかりづらい白内障は、気がついた時にはもう白内障手術でしか治療できなくなっているケースが多いです。
できれば定期的に眼下を受診するなどして、なるべく早めに白内障の発見に努めるのがおすすめです。