白内障の種類
白内障とは、さまざまな原因によって眼球の中にある水晶体と呼ばれる部分が濁ってしまう病気です。昔は「しろそこひ」と呼ばれていました。
水晶体というのはどのようなものかというと、カメラでいえば、直径が11mmほどの凸レンズのようなものにあたります。
ただし、カメラのレンズは硬いガラス製ですが、眼の水晶体は柔らかく、水晶体嚢と呼ばれる薄い幕に包まれています。
この膜の中にある水晶体上皮細胞は常に増え続けているため、歳をとればとるほど水晶体は重く、分厚くなっていきます。
白内障とひとことでいっても、その種類はさまざまです。前嚢下白内障、皮質白内障、核白内障、後嚢下白内障といったものがあります。
ほとんどは加齢とともに発生するため、一般的には全てまとめて「老人性白内障」と呼ばれます。
ただし、ごく稀に先天的な白内障や、外傷によって発生する白内障、アトピーや薬剤、放射線によって発生する白内障もあります。
白内障の症状と治療
水晶体が濁り始めると水晶体の中で光が乱反射してしまい、物が霞んだり二重に見えるなどの症状があります。通常よりも光が眩しく感じるという人もいます。
白内障が進行するとメガネでも矯正できないほど視力が低下してしまいます。
ごく初期の場合は点眼薬などで進行を遅らせることができますが、完治させることはできないため、一般的には白内障手術によって治療を行います。
手術では濁ってしまった水晶体を取り出し、水晶体のかわりをする眼内レンズを挿入します。眼球にメスを入れるというと、大変な手術のように思われるかもしれませんが、現代では局所麻酔で顕微鏡を使用して行うことができます。
手術に関する医療技術は年々進歩していますので、手術時間も短く、日帰り手術で済む場合がほとんどです。白内障の手術後は、慣れない眼内レンズで見え方にしばらく違和感を感じる人もいますが、ほとんどは時間の経過とともに慣れてしまいます。
使用する眼内レンズによって見え方がかなり変わりますから、手術前に医師と入念に相談をすることが必要です。